それでもあの出来事が君を苦しめるだろ?

最近、電話恐怖症だということに気が付いた。


あたしの仕事はテレフォンオペレーターです。
受信した電話に応対をして、お客様の希望に沿ったものをご提供させて頂きます。残業はなんだか毎日ありますが、これは電話を受けることではなく、その事後処理にかかる時間の所為です。
朝の9時からお客様との電話は続きます。
天職だとはいいませんが、正直自分に向いている職業だと思っています。やはり人間相手ですから、マニュアル通りにいくわけはなく(実際そんなものはうちの職場には存在すらしていません)四苦八苦しながら電話を取ります。ただお客様と会話をするだけでないのがこの職業で、当たり前ですがそれなりの知識が求められ、本当に毎日が勉強です。電話を切る間際に「ありがとう」といわれると、とても嬉しく思います。勿論世の中みんながみんな気のいいヒトというわけではありませんから、「なにさ!」と思うこともあります。それでもまだ職場を替えてもこの仕事を続けているということは、やっぱり性に合っているのでしょう。


けれども、あたしは電話恐怖症です。
自宅の電話や自分の携帯電話が鳴ってもまづ出ません。着信音に嫌悪感すら抱きます。人と話をするのは嫌いじゃないし、実際自分がかなりのお喋りであることは自覚していますが、それでも今は電話が怖いのです。時間を奪われる、気持ちを乱される、そういうくだらない妄想への恐怖。携帯電話なんか解約してしまったほうが自分の為になるのではないかと思うほど。幸い、電子メールという便利なオプションのおかげで、そうするには至っていませんが。自宅に戻れば電源を切ればいいだけのこと。
あたしは電話が怖い。


今現在、仕事にはなんの支障もきたしておりません。
お客様への応対はむしろゲームに近い感覚で、楽しんでいると思うことすらあります。テレオペとしては失格気味ですが、それでご満足頂けるのなら多少の遊びには目を瞑って頂きたい。
1日実働8時間も他人と話をしていれば、電話が嫌いになってもおかしくはないと思いもしますが、別に仕事は嫌いではないのです。むしろ楽しい。だってどの電話を取っても同じものは存在しないし、いろんな新しいことを発見するわけですから。


なにがあたしをこうも怯えさせるのでしょう。不思議でなりません。