夢から覚めれば

日がな一日、それはもう直哉のことばかりを考えてすごした。
ことの詳細が明らかになるたびにため息が深くなる。情けなくて涙が出た。直哉はしてはいけないことをした。道徳的にあってはいけない。少なくともプロサッカー選手という立場にある直哉はやってはいけないことだ。チームメイトはもちろん、背番号8(或いは27)のユニフォームを着てスタジアムに足を運ぶひと、ジュビロ磐田を応援するすべてのひとを裏切った。チームを解雇されるのも時間の問題だろうと思う。「信頼回復のためには、みんなが心をひとつにしてこれからの試合の中でがんばっている姿を見せることだと思う」そんなことを雅史に言わせるなんて。直哉はほんとうにひどい。

それでも直哉からサッカーを取り上げないで欲しいとこころから思う。直哉もサッカーを捨てないで。