「自分の体温を信じて、つかんで!」

そういえば。
という言葉ではあまりにも白々しいほど、
あの夏から随分と時間が経ってしまったのだということに、
今もまた思い知らされている。
あの土地に置き忘れてきたものなどなにもないし、
それでも確実にあの夏は存在していたのだ。
何も変わってないことなんかない。
それでもこの胸を熱くさせる感情はなんだろう。
あの子たちに今でも『先』があるように、
あの子たちにだって同じように『先』がある。
さあ、その手で掴み取れるだけの何かを掴んでみせて。