覗いた世界は最後の過去

「オトナの対応」ってなんだろう。


幼少の頃から、オトナに囲まれて育ってきたせいもあるのか、今になって年上の人や見ず知らずの他人との距離が上手く取れない。だって年齢的にみればあたしはもう立派な大人であって、足元に纏わりついてじゃれるような立場ではないとわかっているのだけれど、それ以外に接する態度がわからないからいつも困惑してしまう。
あいだに自分のよく知っている人間が入れば、また話は変わってくるのだけれど、それでも自分の人間関係を構築するのには骨を折る。ヘタに愛想良く振る舞ってしまうことも多いし(何しろ見栄っ張りなので)相手に対して不快な思いをさせないかと空回ることなんてしょっちゅうだ。明るいネクラ、という微妙な矛盾のなかにあたしはいる。


器の大きい人間になりたい。
つかもう、早く人間になりたい。
別にあたしの母親はメカでもアスファルトでもなんでもないのだが。
無論父親も。


最近事務局に入った女の子がトイレで泣いていた。
あたしは「さあ、6時だ! これからが本番だぞぅ!」と思って、気合いを入れるためにトイレに行ったのだけれど、彼女はもう帰るところで黒目がちな瞳を揺らしていたのでした。
確かに辛い。
あそこは並大抵の精神力じゃやっていけない。仕事が大変なのはどこの部署だって同じことだと思うけれど、何より人間関係という仕事を潤滑に行う為に肝要な土台がめちゃくちゃなんだもの。まだ予約は鬼が理不尽なことを言っていても、みんなで「なにいってんの〜?(ケッ)」と目配せしあうことも出来るけれど、事務局ではそんなことすら出来ない。愚痴る相手もいないなんて、地獄みたいだと思う。
そうはいっても、あたしにはなにも出来ないんだけどね。
たまに声をかけてみたりする程度のことなら、やってみたりしてるんだけど、席替えをして島3つくらい離れちゃったからね……。彼女を見ていると、なんだか1年前の自分を見ているようで辛い。
廣瀬さんもだいぶヤラれちゃってるなぁと思う。余裕なんか簡単に吹っ飛んでしまうものだと思うのよ。だけど裏を返せば、たったひとつの言葉だけで順調に物事が進むことだってあると思うんだけどな。むつかしいよねぇ、みんなが快適に仕事が出来る環境っていうのはさ。大いに努力するべきだとは思うんだけどね。


小林さんに「山田(仮)ちゃんを見てて勉強になったよ」といわれたのが嬉しかった。あたしは本当に予約(しかもバイト)しかやっていない人間だから、やりやすいように手を加えて、結構自分勝手なこともしてると思うんだけど、そんなあたしに「あそこにはキミみたいな人がいなきゃ困る」といってくれるのはありがたいことだ。
至らないところも多いし、仕事にムラもある、ダメオペレーターだけど、やれるところまでまだやってみるよ。誰からも必要とされたい、みんなから愛されたいの


しかし今日のポジティヴ風な自分ってなんだろう。
そういうバイオリヅムなんだろうか。1週間後の自分がこの日記を読んで落ち込むところが目に浮かぶね……ははは……。